自分を誇れるふたりがうらやましい

あなたが子どものとき、わたしはね。
そんなふうに自らの親ぶりを自慢する。
自分を誇れるふたりがうらやましい。

昼間は忘れていられる。
だが、布団に入った後が怖い。
眠りにつくまでの間、
魔物たちがオールキャストで飛び出して、
乱痴気騒ぎ。

金切り声で叫ばぬように、
忘れろ、忘れろ、考えるな!
と呪文を唱える。

何十年繰り返そうとも
ふとんに入ると儀式ははじまる。
魔物が現れ、呪文を唱える。
そのくりかえし。

うっかりよぎった妄想。
今わの際。
「つらい思いをさせたね」
と涙を流すのだ。
首を横に振り、手を握るわたし。

心配しなくても、ふたりは涙を流さない。
満ち足りた笑顔で、あの世に旅立つのだ。
ふたりの真顔を見て、確信した。
あれはジョークではない。
天地がひっくり返っても、謝るなどありえない。

追い出せずにいるのに。
たくさんの恐ろしい魔物たちを。
心の中から。

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