狭山元気大学24年度ビリヤード指導者養成コース vol.1
第1回(須藤)、第2回(須藤)、第3回(須藤)、第4回(須藤)、第6回(高平)、第7回(梶谷・李)、第8回(須藤)、第9回(須藤)、第10回(長矢)、第14回(須藤)、第15回(須藤)、第16回(須藤)、第18回(須藤)
- 更新 2012.12.7(利き目はどちらかの記事を修正、ライフルの画像を修正 by Photoshop)
- 更新 2012.12.6(ブリッジにイラストを2点追加 by Photoshop)
- 更新:2012.11.29(テンボール、ナインボールの記事追加)
- 更新:2012.11.24(ストロークに画像と記事追加)
埼玉県狭山市でスタートした、「狭山元気大学」。
その中の講習のひとつ、ビリヤードが本日、開始。
なりゆきで、今回もオール自腹にて参加です。
「なぜ、ビリヤードか!?」
と申しますのは、わが町、狭山市には、世界的に有名な、ビリヤードのキュー(玉をつく棒)のメーカーがあります。「アダムジャパン」です。
アダムジャパンさんが茂音パソコン塾の門戸をたたいてくださって以来、ご縁があり、講習資料のお手伝いなどをしています。
本日の講師は、須藤路久さん。
「ビリヤードキューズ」という専門誌に連載を持ち、1000人以上の方にビリヤードを指導なされてきた、ビリヤードの鉄人です。
須藤さんには「知の市場@狭山市産業労働センター」のビリヤード講習(狭山を学ぶ ものづくり編a)でも何回か、ご指導いただきました。
狭山元気大学24年度ビリヤード指導者養成コース 全22回
第1回 講師:須藤路久氏
本講習の狙い
- 「たくさん練習すれば」
- 「うまい人を数多く見れば」
- 「身体で覚えなさい」
- 「勘をつかみなさい」
・・・これらはすべて、もっともらしく聞こえます。が、1から自分で気づくには時間がかかりすぎます。
「(経験上から、データ上から)これが正しい」という方法を、提供するのが本講習です。近道はないですが、「遠回り」にならないように。
みなさんに最初にお願いがあります。
わかったふりだけはしないでくださいね。どのようなことでも、わからなかったら聞いてください。
質問攻めにしても、怒ったりしませんから。わからないまま進まれるのが一番困るのですよ~。(同業者として同感!)
ビリヤードを教えるために
- ナニナニしてはいけない、という表現を避ける。(からだが固くなってしまうため)
- その人に合った運動イメージを提供。どういう表現をすれば、その人がその運動をイメージしやすいか、人によって千差万別。(この講座では「一般的なイメージ」でお伝えします)
- 理屈はおいておき、まずは、入れる楽しさを感じてもらう。
重要なポイント3つ
- 目の使い方が正しいかどうか
- スロー(物理的法則)(摩擦)の正しい知識
- 狙い方
ビリヤードについて
ビリヤードの種類(おおざっぱに、2種類)
- 台に穴が開いている・・・プール。ポケット系ビリヤード
- 台に穴が開いていない・・・スリークッションなど
ビリヤードの道具
- キュー (選び方)
- 100万円を超えるものもあるが、デザインにお金をかける必要はない。
- キューがまっすぐであれば、機能にも、それほどお金をかける必要はない。
- ただし、あまり安いと、経年で曲がりやすかったりするので、2~3万以上のものを選ぶ。
- 長く使う場合は、5~6万のものがお勧め。
- チョーク・・・すべりどめ。キューの先端(タップ)(の角)につけ、摩擦を与える
(実際に、キューと玉が接触するポイントは、ど真ん中に当てるとき以外は、タップの角。したがってタップの角に、シュッシュッとチョークをつける)(ど真ん中に当てる場合は、スロウがないので、すべり止めは不要)
ビリヤードのマナー
- 構えている人の視界に入らないように。構える前に逃げる。逃げそびれたら、フリーズし、視線を合わせない。となりの台を使う場合は、エリアをずらして構える(台の半分くらい)。もしくは待つ。
競技をしている人が集中できるようにする。 - くわえタバコはダメ。(灰がラシャに落ちて燃える)
- チョークをラシャの上で使わない。(ラシャが汚れる)
- 倒れるので、キューを台にたてかけない。(キューが壊れる)
- 台の上の玉をキュー先で(軽く)転がして移動させるのはマナー違反ではない。手でポ~ンとほおってしまう方がマナー違反。
ポケットビリヤードについて
ナインボール (ポケットの中で、一般的なゲーム)
ゲームスタート時
- 対戦形式を決める(5ラック先取-ゴサキ、7ラック先取-ナナサキ、など)
- 先攻を「バンキング」で決める
- 9つの的玉をひし形に並べ、「ブレイクショット」。(1番に当てる)
- 1番と9番の位置が決まっている以外、並べ方は任意(右下画像参照)
- マスワリ(Break&Runout)
マスワリとは、ブレイクショットした人が、一度も交代することなく、勝利すること
- 途中の番号の玉を飛ばした場合は、マスワリとは言わない
- ラックシートが普及し、(隙間なく精密に並べることができるようになり)、マスワリが激増した
- (ちなみに、ラックシートで正確に並べれば、どこからついても、9番だけは動かない)
- ブレイクショットの直後のみ、「プッシュアウト」とコールし、手玉を自由にショットできる
- ブレイクインすればブレイクした人が、ノーインであれば相手が、「プッシュアウト」をコールできる
- プッシュアウトは、的玉にあてなくてもよい
- プッシュアウト後、選手交代
- プッシュアウトの直後、交代した選手は「パス」するかプレイするかを選択できる
- ゲーム中のルール
番号の小さい順に、ポケットしていく
- 小さい番号の玉に先に当たっていれば、ポケットする玉は他の玉でもよい
- (ブレイクショットも含め)玉が入らなかったら選手交代
- ヒルヒル(Hill&Hill)・・・リーチの状況-たとえば、5ラック先取の試合で4対4のとき
- 9番を入れた人が勝ち。
(最短で、1番ボールに当てて9番がポケットすれば試合終了)
- ファールの例 (どのようなファールであれ、ペナルティは同じ)
- 手玉がポケットに入った(スクラッチ)
- 一番若い番号の玉に、(最初に)当たらなかった
- キューの先端以外の部分、髪の毛、服などが玉に触れる(玉さわり)
- タップが二度、的玉に触れる(二度づき)(にごった音がする)
- 玉がテーブルの外に出る(玉場外)
- 両足が床から離れる(片足のつま先が床についていればよい)
- 手玉、的玉などがクッションしなかった(ノークッションファール)
(的玉が入らなかった場合に、このファールが適用される)
(手玉や一番若い的玉でなくても、いずれかの玉がクッションすればよい)
(セーフティでちびちび動かし、試合が長引いてしまうことを防ぐためにできたルール)
- ファールのペナルティ・・・相手のフリーボールになる
- ファール時に場外もしくはポケットされた的玉は、(9番以外は)ポケットされたものとしてプレーを再開する
- ポケットされたのが9番だった場合は、9番をフットスポットに戻す
(9番が最後の的玉だった場合、フットスポットに戻された上でのフリーボールなので、プロの試合では負けが決定したも同然)
- 各国、各公式試合によって、ローカルルールが追加される場合がある
- 40秒以内につかなければファール(40秒ルール)など
テンボール
主なルールは、ナインボールと同じ
- ひとつボールが増えただけで、ブレイクインやゲームの難易度が高くなる
- 並べ方は1、2、3、10番の位置が決まっている(2、3の左右はどちらでも可)
- ナインボールと違う点は、以下
- コールショット
- ショットの前に、「この玉をこのポケットに入れます」(もしくは「セーフティ」)と宣言する
- 指定どおりにならなかった場合は選手交代
- 狙いが明白である場合は、コールを省略してもよい(ジェントルマンコール)
- オプション
- コールしていない玉が、もしくは、コールしていないポケットに、「イン」してしまった場合、および、セーフティをコールして「イン」してしまった場合、オプションルールが適用される
- 相手プレイヤーは、プッシュアウト時と同様に、「パス」するかプレイするかを選択できる
フリーボールゲーム
- 初心者はまず、ここから。(詳細はこちら)
目の使い方、狙い方
構え方
利き手・・・グリップを、おへその脇のあたりで握る。小鳥を握りつぶさないように、軽く握る。
- 重心より10センチ程度うしろと書かれている本が多いが、実際は背の高さや玉の配置によって握る場所は変わってくる。
- 利き手ではない手・・・ブリッジを組む
- タップからブリッジの距離は、(15~)25~30(~35)センチ。(イレギュラーはある)
スタンダードブリッジ
- 5本の指を的玉の方向にのばす
- 5本の指が的玉に向いている状態のまま、小指を下にし、台に垂直に立てる
- 小指をまっすぐにしたまま、薬指、中指を内側に広げる
- 親指を中指の上に乗せる
- (中指でしっかり支える)
- 親指のつけ根と中指の上にキューを乗せ、指の股にキューを強くはさみこみ、手の甲の骨の溝をレールにする。(しっかりはさむ)
- 人差し指の先端を、親指の先端につける。(しっかりつける)
オープンブリッジ
- 手のひらを台に乗せ、親指を人差指の上に置く
- 親指と人差指の間のくぼみにキューを乗せる
- (オープンブリッジはキュー全体が見えるので狙いやすい反面、支えが弱いというデメリットもある)
- タップからブリッジの距離は、(15~)25~30(~35)センチ。(イレギュラーはある)
- キュー・・・構えるときに、(特に女性は)胸を打たないように、胸の上から。
- 足・・・右ひざを伸ばす
- 構え目線・・・ハスに(=身体をななめに)構える
狙い方
- キューの方向を定める
- キューをライフルに見立て、ライフルのスコープを見るように。
- 顔はまっすぐに。
- 狙いが違っていた場合は、(キューの向きだけを変えるのでなく)「立ち位置」から態勢を立て直す。
- 「キューがどっちを向いているか見てごらん」と、何度でも、態勢を立て直させる。
- 効き目がどちらかなどと難しいことを考えなくても、キュー方向を見ようとすれば自然と正しい狙いになる
- 狙うのは的玉。
- 一度狙いを定めたら、ついたあとも、ポケットを見ない。ポケットを見てしまうと、狙いが変わってしまう。
- 光を脳が捉えるまでに0.5秒かかる。そのため、脳は動きを先読みしてしまう。それをビリヤードでやってはいけない。
- ポケットに入ったかどうかは二の次。的玉に当たったかどうかに集中する。音で、ポケットに入ったのを確認する。
- ポケットに入れようと思うと10年練習しても入らない。的玉の真正面に当てることを考える。
ストローク
手首に板がついているとイメージする。その板がキューに対して平行になるように動かす。
もしくは手首の左右のグリグリが、キューに対して平行になるようなイメージで。- ま~(的玉を見ながらひく)、て~(手玉を見ながら押し出す)、ま~(的玉を見ながら引く)、まぁ~あ~(的玉を見ながら押し出す)
(手玉を見てつく人は少数派。全体の5%ほど) - ま~て~ま~、まではリハーサル。リハーサルは、本番の「まぁ~あ~」と同じ方向に、同じスピードで。
- 打つのではない。押し出す。したがって、「まっ」ではなく、「まぁ~あ~」。
イメージとしては、お団子に串をまっすぐに突き刺すような感じ。もしくは、水鉄砲の筒を押し出すような感じ。 - 力は「まぁ~あ~」の「あ~」タイミングで入れる。的玉を見たまま押し出す。
利き目はどちらか
- 手で小さな穴を作り、その穴から玉を見る
- 片目ずつ、つぶってみる。玉が消えたら(もしくは、ずれたら)、つぶった目が「利き目」。
- (利き目がどちらかという問題は、参考程度に。キュー方向を見るように案内すれば、自然に視線は修正される)
的玉のどこをどう狙うか(その1)
- 的玉とポケットを結ぶラインをイメージし、手玉を的玉の後ろに並べるようなつもりで狙う
- スロウがあるので、「ライン」は実際にはポケットのつの(端)と的玉を結ぶ
的玉のどこをどう狙うか (その2)
手玉の走る筒状のレールをイメージする。キューはその筒内をすべらせる。
- ポケットのつのと的玉を結んだ直線(右図、赤い点線)をイメージする。
- 的玉の後方のエリア(黄色い三日月)に向かって、手玉を走らせる。
追伸 10月11日
知の市場のときと違い、今回は、「自主練習」ができるのがステキ。(受講者限定)(無料)
元気大学は教室から車で5分。近いです。
ポケットの台が2台、キュー6本、チョーク、玉合計32個。オールキャストで、わたしを待ってくれている~。
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