狭山元気大学24年度ビリヤード指導者養成コース vol.6
第1回(須藤)、第2回(須藤)、第3回(須藤)、第4回(須藤)、第6回(高平)、第7回(梶谷・李)、第8回(須藤)、第9回(須藤)、第10回(長矢)、第14回(須藤)、第15回(須藤)、第16回(須藤)、第18回(須藤)
アダムジャパンのあゆみ
- 1970年 有限会社アダムカスタムキュージャパン設立
現在、ゴルフクラブのトップブランドであるキャロウェイ副社長リチャード・チャールズ・ヘルムステッターが社長に就任 - 1986年 高平睦生、社長就任
- 1999年 株式会社アダムジャパン設立。狭山市下広瀬に本社を移転
- 2000年 MUSASHI発売
- 2010年 MUSASHI A40発売
- 2015年 新製品発売予定
ものづくりのこだわり
アダムジャパンのものづくり
- 1グラム、0.1ミリ、1%のバランスがプレイに影響する
- 世界チャンピオンが求めるキュースティックの<精度>
- アダムジャパンのモノづくりへのこだわり
- どのキューメーカーも作り出せないような、構造・打球感のキューを常に追い求める
- 最高の技術を駆使し、高性能のキューを世に送り出す
- 最高傑作「MUSASHI」ブランドの誕生
なぜ木にこだわるか
木は変形する
- 曲がらないための工夫
- 木を選ぶ
- とことん乾かす
- 木を組み合わせる(世界一を誇るアダムの技術)
- 中央に芯を入れる(アダムの特許)
- 曲がらないための試行錯誤の数々
- 油で煮る
- 真空装置
- 電子レンジなどなど
ビリヤードの基礎知識
ビリヤードの道具
- テーブル
- スレートと呼ばれる石板をラシャ布で覆ったもの(約300Kg)
- キュー
- 球を撞(つ)く棒状の道具。先が細く柄が太い。
- ボール
- 硬質プラスチックを素材とし、非常に精密。
(昔は象牙など)
- 硬質プラスチックを素材とし、非常に精密。
主な種類とルール
- キャロム
- 玉は3~4個
- (クッションに3回バウンドさせてから)手玉を的玉にあてる
- ヨーロッパ、東南アジアなど
- スヌーカー
- 玉は22個
- 赤、カラーボール、赤、カラーボールの順番で、ポケットに入れる
- イギリス、カナダなど
- ポケット
- 玉は16個
- ボール番号の小さい順に、ポケットに入れる
- 日本、アメリカなど
ビリヤードの選手
- 内外で活躍するビリヤードのトップ選手たち
ビリヤードの歴史1
- 18世紀中頃に長崎出島のオランダ商館にビリヤードが持ち込まれる。
- 長崎歴史文化博物館に所蔵されている蒔絵に「ポート&キング」と呼ばれるゲームをする様子が描かれている。
ビリヤードの歴史2
- 大正天皇は「最低限社交ダンスとビリヤードをたしなめるようでなければ、諸外国と対等にはつきあえない」とし、紳士淑女のスポーツとして、ビリヤードを推奨。
当時は、男女正装してのビリヤード社交場がありました。 - 2012年6月に亡くなられた「ひげの殿下」三笠宮寛仁さまは、社団法人日本ビリヤード協会の総裁としてビリヤードの発展にご尽力くださいました。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
日本と諸外国との違い
- 海外のメディアでの扱い
- 新聞 (大会結果が紙面トップを飾る)
- テレビ (大会は各国で生中継される)(BBCでは、年間180時間放映)
- 有名選手の待遇
- 海外の選手は(日本の選手も海外では)タレント、英雄扱い。大勢の人に囲まれる
- 海外の選手は、CM出演など、スポンサーがつく
- 大会の規模と賞金
- 日本のプロ選手は、バイトをしないと生活できない
- 海外のビリヤード場の数と規模
- 30台のビリヤード台があるようなビリヤード場が町にいくつもある
- コーチ制度
- 日本にはコーチ制度がないため、選手は客観的な練習を行うのに苦労する
今後のビリヤード
- 天候、性別、年齢に左右されない。
- 60歳からスタートしても、上達し続けられる。82歳での優勝例あり。
- 高齢者の健康、体力づくりに有効であると実証されている。
- 各町内会に1台、ビリヤード台を!
- 法律的な扱いが、日本ではパチンコやトランプと同じ。ぜひ「野球」の仲間に!
キュースティックの基礎知識
ノーマルシャフトとハイテクシャフト
- ノーマルシャフト:木を削った1本物。(従来の製法)
- ハイテクシャフト
- 中央に(グラスファイバーなどの)芯を入れる、複数のピースを貼り合わせる(=ハギ)など
- ハイテクシャフトには、
- スピンをかける際の横方向のズレを減らす
- パワーを拡大する・・・などの効果がある
- 各メーカーが、続々と高性能なハイテクシャフトを開発している。
- プロ選手の多くが、ハイテクシャフトを使用している
プロダクションキーとカスタムキュー
- プロダクションキュー・・・大量生産されるキュー(数万円~)
- カスタムキュー・・・オーダー生産される1本もののキュー、など(数万円~数百万円)
シャフトの構造(ノーマルシャフトとハイテクシャフト)
- ハイテクシャフト
- ハギ
- 4分割、8分割、12分割
- 芯あり、芯なし
- 竹、スチールパイプ、グラスファイバー
- ハギ
- 芯とは:中央に穴をあけて埋め込むアダムの特許
- ハギとは:世界有数のアダムの職人の技術
インレイ
- インレイとは、貝殻、象牙、石、宝石などを埋め込んだ装飾のこと
キュースティックができるまで
木材の乾燥1
- シャフト材のカナディアンメイプルは数カ月乾燥させる。
- バット材の銘木木材も、長期間乾燥させる。
- 乾燥機や乾燥室に置く期間を長くすることで、木材は安定し、曲りやくるいは少なくなる。
- 本ハギ
- バット部を「ハギ」と言われる工法で組む。これは、本ハギといい、アダムは世界一の技術を誇る。この作業がキュースティックの良し悪しを左右する。
- インレイ
- インレイとは、貝殻、象牙、石、宝石などを埋め込んだ装飾のこと
- パソコンでデザインを起こし、NC彫刻機でバット部を切削する。オス側とメス側の作業を同時に行う
- シャフトの丸削り加工
- シャフト専用の丸削り機で何度も削り、少しずつテーパーを仕上げていく
木材の乾燥2
- 本ハギやインレイを施したバットは製作中何度も乾燥室で乾燥させる
シャフトも製作中何度も乾燥室で乾燥させる - ジョイントの取り付け
- バット側にジョイント加工をし、ジョイントピンを取り付ける。キューの心臓部とも言える場所なので、細心の注意が必要
- シャフト側にもジョイント加工をし、パイプネジを取り付ける
- シャフトフェーラルの取り付け
- シャフトの先端に先角(さきづの)(=フェーラル)とタップを取り付ける
- ジョイント削り
- バットとシャフトのジョイントのサイズを合わせ、削りをおこなう
- サイズ合わせの為、シャフトも同様に削る
- 磨き
- ロールサンダー機を使用し、サンドペーパーでキューの表面が滑らかになるように整える
- 塗装
- 自動塗装機によるコーティング.。
より美しく仕上げる為、1日2回、15~20工程行う。 - グリップの仕上げ
- 握りの部分(グリップ)に麻糸または本革を巻く
- 検品、梱包、出荷
- 曲り、ウェイト調整、傷などを綿密に検品
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