コップの水の減らし方2
かめきち先生の言うとおりです。
コップの水がいっぱいになってしまって困っていたのは、他でもなくわたしです。
防具が「ただの布きれ」と「こん棒」であるにもかかわらず
メイジキメラと戦おうと挑み、あやうく傷だらけになるところでした。
今は、かわすための術の存在を知り、おかげさまで肩の荷が軽くなりました。
無視された、見捨てられたと、決して思わせないように、
要領よくかわすことで、
自分のコップの水を増やさない(=減らす)と同時に、
うまくすると、メイジキメラのコップの水も減らしてあげられるかもしれません。
(つづく)
「パーソンズセンター(来談者中心療法)」という、カウンセリング内容です。
そもそも、コップに水があふれていなければ
人は自分自身の力でコップの水を蒸発させることができる
そんな実力を備えているというものです。
どうしようもないから、自分で減らす力があるのか分からないから
カウンセリングを受けるのです。
本来は、自力で直せることを気づかせるのがカウンセリングの目的なので
カウンセラーは指示をせず、寄り添って相手の水の質量を軽く感じるよう
安心感を与えるのです。
だから、職業カウンセラーは指示を与えてはいけないし
来談者でもない人の話を膨らませても、あまり意味がありません。
焦点は、来談者本人の感情の言葉です。
強い感情が負であれば、コップの中は負で満たされていきます。
そして、自身のコップの中の負が何であるか
寄り添っている人がいることで、徐々に冷静に考えることができるようになります。
そもそも、負の感情は悪い物ばかりではありません。
負を乗り越えるというよりは、負に慣れることによって
負に抵抗を感じなくなっていくのです。(忘却ってスバラスイ)
ただ、適度でなくては周りの環境に対応できなくなります。
自身の負の感情を共感(同調ではない)してくれる人がいると思えば
負の水の質量は軽い、と勘違いすることができるのです。
カウンセラーは、「同調ではなく共感」の立場でいなければ
同じくコップの中は、相手の負の感情によって満たされていきます。
指示的カウンセリングは、本来同調により起こりやすい行為です。
同調するのは友人知人であり、カウンセラーではありません。
論理療法より
決して → できれば
相手の逃げ道のない言葉を、その都度訂正させ
「~でなければならない」「~しなければいけない」という否定的・極論的な考え方を
徐々に柔軟に考えられるようにする。
このような考え方をする人間は、「タイプA」型人間とされ
融通の利かない、先入観を変えない、偏屈であるといわれる。
「心臓病(狭心症)」などを起こしやすいのは、このタイプA型人間が多いとされている。
身をかわす術は、「
共感ではなく同調同調ではなく共感」の立場でいる、ということなのですね。■■■「
共感同調」とは、相手の話を聞き、同じ気持ちになること。「つらかったのよ、悲しいの」
という話を聞きながら、
自分もつらく、悲しい気持ちになってしまう。
自分のコップの水も、いっぱいになってしまう。(=
共感同調)■■■「
同調共感」とは、相手の話に同調共感しつつ、受け流すこと。ポイントは以下。
1.返事をするときに、胸の筋肉を見せる(=首だけ向けるのではなく相手と向き合う)
返事をするときに見せる。(相手が話をしているときは、横を向いていてもよい)
相手に、受け止めてもらっているという満足感を与えることができる。
2.視線をしっかり合わせず、目のあたりを見る。(こわがらせないため)
3.同意できる場合は、同意する。
「そうね」「わたしもそう思う」
4.同意できない場合は、相手の話をおうむがえしで返す。
「そうなんですね」「痛かったんですね」など。
おうむがえしをすることにより、
「違う意見なんだろうけれど、否定されずにそのまま受け止めてもらえている」
という、安心感、満足感を、相手に与える。
5.意見を言わない
「こうしてみれば?」「わたしはこう思うよ」などと意見を言わない。
6.具体的な問題を解決しようとしない。
7.目的は、コップの水を減らすこと。
相手は、具体的な問題で困っているのではなく、
実は、コップの水がいっぱいになってしまったことで困っている。
コップの水を減らしてあげることにより、結果的に
相手の問題は、相手が自分で解決できるようになる。
8.胸の筋肉を見せて、おうむがえしをすることにより、相手のコップの水は減る!
そして、自分のコップの水は増えない!
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おはなし:かめきち先生
勝手な解釈:弟子のまついし
【受容】
ありのままの相手を受け入れて否定しないこと。
【傾聴】
相手の話を聴いていること。聞くではない。またその状況を相手に伝わるような姿勢をとること。
【共感的理解】
相手の話を否定せず、同調して相手の感情に巻き込まれることなく共感しつつ理解すること。
「共感」:相手の気持ちを共に感じるが、感情には巻き込まれないこと。
「同調」:相手の負の感情を自分のものとして巻き込まれること。
です。
「同調」は、近所のおばちゃんやお友達と同じで、「同調」はしないでください。
相手のコップの水も、自分の水も、感情で増えるだけです。
相手の話や感情に同調し、巻き込まれるとコップの水の正体が分からなくなります。
また、自分を受け入れてくれていると相手が感じれば、コップの水が減ったときに
素直に他人の意見や状況を受け入れることができるのです。
胸の筋肉を見せりゃいいってものじゃない。
受容、傾聴、共感的理解をともないつつ、胸の筋肉を見せる。
「そうでしたっけ?そんなこと(あなた)言ってました~?」
的な聞き方なら、そりゃ、楽だなぁ~、こっちのコップの水も増えないわけだ。
相手の話に、胸の筋肉を見せつつ、心をかたむけ、心にとめる。
同調(=巻き込まれる)はしない。
まだまだこの話は深いのです。修行はこれから。