コップの水の減らし方1
(コップの容量とやさしさのつづき)
登場人物:
一郎、一郎の母 よし子、一郎の嫁 ゆり
状況:(台本)
登場人物3人は同居している。
姑よし子と嫁ゆりの仲は最悪。双方ともガマンの限界。
一郎は母親と嫁にはさまれ、愚痴を聞かされる毎日。
帰宅してドアを開ける一郎。
かけよるゆり。
「あなたどうにかしてよ!あなたからお義母さんに言って!」
(オレだって仕事で疲れているんだ、カンベンしてくれ)
一郎はこの問題にかかわりたくなかった。
無言のまま、ゆりに背中を向けて着替える。
「お義母さんったらこんなことを言うの」
「こんなことをするのよ」
と、ゆりは、次から次へとまくしたてる。
(この分だと、お袋もさぞやタマッテルんだろうな、くわばら、くわばら)
母親からの弾丸のような愚痴を想像し、一郎はため息をつく。
ゆりに背を向けたまま、
「風呂、行ってくるよ」
と、その場から逃げるように立ち去る一郎。
呆然と立ち尽くすゆり。
誰のためにこんな目にあってると思うの?
あなた以外に誰を頼りにすればいいっていうの?
もうこんなのイヤ!
***
この物語はフィクションです。オラと姫(義母)は喧嘩しちょらんとです。
(この記事のコメントにつづく)
一郎もよし子もゆりも
コップの水がいっぱいな上に、
傷だらけだ。
なぜ傷だらけになるのか。
それは、
「うわ、すごい弾が飛んできた!(=攻撃された)」
と感じるからだ。
一郎もよし子もゆりも、
コップの水がいっぱいなため、知らず知らずに
弾を発射(=攻撃)してしまう。
たとえば、
「お義母さんがひどいのよ!」
という訴え。
そうした言葉は、ゆりがそのつもりではなくても、
一郎にとっては、「兵器」だ。
同様に、母親からの「嫁の愚痴」も、「兵器」だ。
ここで一郎の逃げ道としては、
その「攻撃」をまともに食らわず、
「ほぉ~。妻のコップの水は、マジ、いっぱいやん?」
と、心を遠くに置いて、受け流す。(聞き流すのとは違う)
(それだけで、かなり防御力アップ)
水がいっぱいな人は
「助けて!」
と叫んでいる。
しかしながら、まともに助けようとすれば傷だらけ。
一郎はすでに、疲労困憊。余力ゼロ。
ここで「胸の筋肉」の登場である。
***
おはなし:かめきち先生
勝手な解釈:弟子のまついし
(コップの水の減らし方2につづく)