息子と決着したものの
昨夜のこと。
食器洗い機が突然、エラー音を響かせた。
「ピーピーピーピーピー」
「食洗機、エラーになってるよ~」
と息子に伝えた。
息子は、食器洗い機の担当なのだ。
彼は仏頂面でノソノソとやってきた。
「返事くらいしたらどうよ?
知らせてくれてありがとう、と、お礼を言ってもいいくらいなのに」
それにも反応せず、食洗機を見て、
「紙コップ入ってる・・・(かっちゃん)やっといてよね」
と。
「あ、本当だ」
カップラーメンの外側をおおっている紙が溶けて、食洗機を詰まらせていたのだ。
いや。だけど。
「ちょっと待って。
詰まらせたのは、悪かった。あやまる。
でも、やっといてよね、は、ないんじゃない?
その言い方はどうかと思いますが、いかがですか?
原因はわたし(=後からわたしが追加で入れたものが原因)だけれど、担当は君」
息子はまだモヤモヤが残っている様子。
「上司の作った書類で、字が違っていたら、『直せよ』と言うんですか?
別の言い方があるとは思いませんか?
状況によっては、何も言わずに君が修正するのではないですか?」
「そうですね」
と、彼は同意。
にも関わらず、わたしに対する敵対感が消えない。
「さっき、ボクがうるさいと言っているのに、かっちゃん無視して歌っていたよね」
と話をすりかえてきた。
なるほど。
それが彼の中でひっかかっていたのか。
「それで頭に来て、そういう態度を取っていたわけ?」
「そうだよ」
「それとこれは別の問題だよ。
ここに持ち出すのはおかしいと思うけど、承知の上?」
「承知の上」
仕方ない。
問題を整理して、歌の問題から行くか。
「うるさいからやめてください、と、お願いしたらいいのでは?」
「無視したじゃん」
「歌い始めたら最後まで歌うよ。練習してるんだから。
終わるまで待っていればいいのに」
「うるさいっていつも言ってる」
「車の中で練習するのに比べたら、100分の1くらいの音量だよ?」
「でも聞こえる」
「テレビの音も聞こえるでしょう?それはうるさくないの?」
「うるさくない」
「かっちゃんの声は小さくてもうるさいの?」
「うるさい」
そうか。申し訳ない。
「わかった。指きり。君がいるときはどんなに小さい声でも二度と歌いません」
指きりをしたところ、息子が
「先ほどは申し訳ありませんでした」
と、食洗機の件で頭を深く下げた。
一件落着。
わたしも安堵。
歌の件では少々複雑な気持ちだけれどね。
息子には、永遠に「ジャイアン・リサイタル」なのかなぁ。