夫から話を聞くことができて、わたしの体験が違う印象に見えてきた。
メカニックの仕事に携わるということは、そういうことなのだな。

自動車整備士(夫)の話

以下の例は、自動車の修理・点検がらみの苦情だ。

「修理してもらってから、急に”他の部分”の調子が悪くなった」
「不具合が今出るのは、点検してないんじゃないの?」
「ガソリンスタンドで聞いたら、修理の仕方が悪いのでは?と言われた」

上記例で、たとえば点検に関してだが、
整備工は、点検項目にない箇所に関して、ご要望がない限りは、見ないし触らない。
「点検」は(ここを勘違いされやすいが)オールマイティではない。

苦情のほとんどは、お客さまの思い違いだそうだ。
それでもお客さまに、こう言う。

「そうですか。(←ここでお客さまを否定してはいけない)
見てみないことには何とも言えませんので、見させていただいていいですか?」

見させていただいた上で、
お客さまがご納得いただけるよう、状況を説明する。
お客さまはメカニックに不案内であり、不安なのだ。
今後も安心してそのお車に乗れるよう、信頼いただくのが大切だ。

元自動車メーカーの整備士(夫)いわく、
「メーカー側のプロとしては、お車に安心してお乗りいただき、
次もHondaを選んでいただく流れを作らなければならない」

なるほど。(深いなぁ)

わたしの体験

10月。
DVDドライブの調子が悪い(ソフトウェアが起動しなくなった)というご依頼で訪問。
その際、2台のデスクトップパソコンで、相互にDVDドライブを交換。
ハード的に問題がないことが確認できた。
その後ドライブを元に戻し、それぞれの動作を確認。
「不具合が出たら、明日までに連絡ください」
と伝えた。

その後しばらくして、以下のご指摘をいただいた。
・DVDドライブの読み込みが悪い
・DVDドライブが本体にはまっておらず、カタカタ動く

”動く”ということは、お友だちから
「コレちゃんとはまってないよ?マツイシさんに言えばわかるはず」
と指摘されて気づいたとのこと。

読み込みが悪いことと、カタカタ動くこととは、まったく別の問題。
どちらもマツイシ(私)が原因だとしたら、プロとして致命的だ。

拝見した。

ケーブルはOK。
電源ボックスから来ているケーブル。
そして、マザーボードから来ているケーブル。
いずれもしっかりはまっており、見た目では接続に問題はなかった。

カタカタ動くという点について、もう一度解体して慎重にはめてみた。
すると、
「あ、直った」
と、お客さま。
「先ほどと、同じです。もう一台と比較してみてください」
と言うと、
「ホントだ」
とのこと。
「これ以上は、きっちりならないですね。個体差の範疇かと思います」

直ったと錯覚する程度の、微小のガタツキなのだ。

読み込みの問題については、電源を入れ、5~6回出し入れしてみた。
その都度、DVDプレイヤーが自動で起動し、問題なく再生された。

「今はできるなぁ」
とお客さま。
「読み込みは、”ずっと”悪かったのでしょうか?」
とお尋ねすると、
「一度悪かったので、それからこっち(のパソコン)は使っていないです」
とのこと。

たまたまその日、読み込みが悪かったのだろう。
(現象が再現できないので、それ以上の推測は不可)

不適切なわたしの対応

わたしはそのとき、正直よい気分ではなかった。
お客さまが、原因はマツイシと決めつけていらしたからだ。

わたしはこうしたクレームをいただく経験がないため不慣れであり、
(ボス経由の仕事は苦情が直接わたしに来ることはない)
さぞかしお粗末な対応だったろうと、今は申し訳なく思う。
(早口でまくしたてていた・・・)

正しい対応

エンジニアのみなさんは、毎日のように、お客さまから、苦情を受けているのだ。
「お前が悪いんだろう?」的な言われ方をされているのだ。

「オレは悪くない!!!」
と叫びたいところを抑えて、
「拝見いたしますね」
と笑顔で応対しているのだ、見習わねばなるまい。